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書を持ったまま町に出よう

引きこもりぎみ方向音痴なアラサーOLが旅行したりする。歴史/美術/古典芸能すき。博物館・美術館/史跡巡り/謡蹟探訪メイン。

三条宗近の刀を食べてみました

 

 

走井餅。
やわらかい餅に包まれたたっぷりとした黒餡は甘さ控えめ。

 

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 走井餅は、三條小鍛冶宗近が大津の湧水「走井」で作刀をしたという伝説にちなみ、刀の荒身を模した形をした和菓子です。
大津の湧水「走井」を用いて井口市郎右衛門正勝が餡餅を作ったことに始まるとのこと
創業は明和元年(1764年)で、錦絵にも走井とともに度々登場するなど繁盛していました。
この走井餅は旅人に剣難を逃れることができる縁起物として人気であったそうです。

甘くて美味しく腹持ちも良い、とても素敵な剣を三条宗近は遺したのですね。

ちなみに創業した本家は明治時代に廃業し、現在はその流れを継ぐやわた走井餅老舗(京都・石清水八幡宮前)、走り井餅本家(滋賀県大津市)の2店舗があります。
 名前が似ている2店舗ですが別の会社です。

●やわた走井餅老舗
明治43年(1910年)6代井口市郎右衛門の4男嘉四郎によって現在の八幡の地に開業。ほどなく大津の本家は廃業したため、「当家が直系唯一の走井餅」とのこと。
http://www.yawata-hashiriimochi.com/
「やわた走井餅老舗」が八幡の石清水八幡宮の門前に構えたのは石清水八幡宮と八幡が宗近とのかかわりがあったことも理由の一つとのこと。
2015年02月26日の記事 | やわた走井餅老舗のブログ 相槌稲荷
http://blog.yawata-hashiriimochi.com/?day=20150226

 ●走り井餅本家
走井市郎右衛門の末裔・片岡家が「走り井餅本家」を起業。
http://www.hashiriimochi.co.jp/

 

冒頭の写真は「走り井餅」のほうです。

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どちらもネット通販があります。
井筒屋と提携している「走り井餅本家」
の走り井餅は京都市内でも見かけることがあるかと思います。


さて、『東海道名所図会』では走井についてこう記述があります。
「走り井は逢坂大谷町茶店の軒場にあり。後の山水ここに走り下って湧出づる事、瀝々とし寒暑に増減なく甘味なり。夏日往来の人渇を凌ぐの便とす。」

ジェイアール京都伊勢丹の美術館「えき」KYOTO で開催されていた「生誕220年 歌川広重の旅」で「東海道五十三次」の「大津 走井茶屋」を見ました。
交通の要所であった大津で居を構える茶屋ののれんには「走井」の文字、画面右側には噴水のように湧き出す走井。
当時から著名であったことがうかがえます。 

大津の走井茶屋、廃業してしばらくしてから茶屋旧跡は大正4(1915)年に日本画家の橋本関雪(1883~1945)が別荘として購入しました。
関雪没後の現在は臨済宗系の単立寺院「月心寺」となっており、現在でも井戸には水がわいているとのこと。
ちなみにこの橋本関雪が妻よねとともに京都市へ寄贈した桜の苗約300本が、いまでは桜の名所として賑わう哲学の道の桜のもとになっています
「白沙村荘 橋本関雪記念館」のミュージアムショプでは、その縁からか走り井餅を販売しており、今回わたしはここで購入しました。(いつも取り扱っているのかは不明です)

 

三条宗近の作刀伝説にちなむ走井餅を食べたならそれは三条宗近の刀を食べたことになるのではないでしょうか。もぐもぐ。

  

もし機会があれば食べ比べもどうぞ。

 

 

 

小鍛冶 (対訳でたのしむ)

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歌川広重保永堂版 東海道五拾三次 (謎解き浮世絵叢書)

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