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書を持ったまま町に出よう

引きこもりぎみ方向音痴なアラサーOLが旅行したりする。歴史/美術/古典芸能すき。博物館・美術館/史跡巡り/謡蹟探訪メイン。

薬師寺「仏教と刀」展その1 (刀身彫刻展示についての感想と所見)

薬師寺の「仏教と刀」展に行ってまいりました。

 

会場奥の刀剣の彫りをメインにした展示の感想です。

 

仏像・仏画神仏習合の展示については下記。

 

wimwim8282.hatenablog.com

刀剣コーナーは入ってすぐに「日本刀を個人で所持するのは簡単だよ!」ってパネルがありますので、ご参考にされる方はメモのご用意を。

 

さて、今回は刀の彫りメインの展示なので、彫りの精密さによる分類が冒頭で説明されていました。

区分は下記の通り、左が一番精密で、右にいくほど略しているとのこと。

真(複雑な彫り)>行(ちょっと略している彫り)>草(簡略化した彫り)

 

 

以下、展示してあった刀の解説の簡単なまとめと感想。

順番通りに書いていますが、仏像(守護神)に内蔵された日本刀だけ長くなったので最後に回しました。

 

刀は室町時代後期(パネルでは江戸前期になっている??)、彫りは25年前に苔口仙秀による。

透かし彫りの真の倶利伽羅龍。

表側しか見れない展示形式なので裏側がどういった彫刻がされているか分からなかったのですが、きっと大変美しいんでしょうね。

 

 

  • 天秀 脇差(江戸後期 200年前ごろ)

天秀は水心子正秀の晩年銘

表に玉追い龍(不動明王の化身の一つとされる。他説あり)、裏に三鈷剣。

肌が美しい備前伝の丁子刃を焼いた入念作で、 細かい上下の縦の線が刃文の中に入りはなやか。(キャプションより)

 

 

  • 越前康継(二代) 脇差

表に葵の紋と真の倶利伽羅、裏に素剣

徳川お抱えの名工であり、初代~4代目まですばらしい。

当時の最高権力者の下で最高品質の鉄をふんだんに使えた立場にあった。腕もよく、葵紋を切ることを許されていた。

 

 

表に三鈷剣、裏は護摩箸と文殊菩薩梵字

虎徹の名では比較的早い時期の作とのこと。

三鈷剣の曲線がシュッとしててとてもきれい。

 

  • 堀川国広 短刀(銘は藤原國廣作)

表は毘沙門天、裏に蓮台と梵字愛染明王のものかと思われるが愛染明王梵字は複数あるためはっきりしない)

寸延び短刀で、片切刃(通常の蛤型の両刃ではなく片方のみから刃をつけている)の名品。

 

草の倶利伽羅

簡略化された図柄で力強い彫り。

初見ではここまで簡略化するのか!って感じで、倶利伽羅龍とか本当に線だけなんだけど、見てみるとなるほど確かに倶利伽羅龍である…。すごい…

 

 

 

 

  • 仏像(守護神)に内蔵された日本刀

仏像は江戸前期、刀は安土桃山。

刀身には表に玉追い龍、裏に素剣。像に納められたままの展示です。

 

わたし、この仏像を観るために行ったんですよ。

 

全身は赤く彩色されており、二本の角と下に向かってのびる長い牙が鬼のようであるが、表情はどこかひょうきんさを感じさせる。

足は4本指に鋭い爪が生え、指も長く5本ではなさそうな手(香炉を持っているため手の全体が見えない)、肘から手の甲まで手甲をつけている。

衣は質素。腰布には葉脈のような模様が見え、大きい葉を数枚腰につけている??

腰布が膝近くまであり、刀の長さもそのくらいかと推測される。

両手で香炉を抱えており、香炉から出る煙が肩から後頭部を回って刀の柄部分になってるようだ。

龍が左肩から顔を出し、背後から回ったその尾が右膝の前に出ている。

 

柄の上部が宝珠形になっており、蓋を開けると中には半跏思惟像が彫刻されている。。(陰になっていて詳細わからず)

仏像に内蔵されるものなので剣かと思ったら、写真を見る限りでは刀のようです。

 

個人的にはこの像が非常に興味深かったので、どこに置かれていたのかなどもっと詳しく解説があればよかったのですが、実際に見ることができただけで御の字です。 

 

 

以上です。

 

 

ちなみに「仏教と刀展」入口等で販売中の「薬師寺」第187号に「展示予定の刀剣」として越前康継、平安城長吉の彫部分がモノクロで掲載されています。

同じページに「水心子正秀 (三鈷剣)」の写真が掲載されているのですが、展示されている天秀の脇差(展示は倶利伽羅が表向きになっている)と同じものかは不明です。

 

 

 3月末に伺いましたところ、天気にめぐまれ桜もとっても綺麗でした。

 

 

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