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書を持ったまま町に出よう

引きこもりぎみ方向音痴なアラサーOLが旅行したりする。歴史/美術/古典芸能すき。博物館・美術館/史跡巡り/謡蹟探訪メイン。

坂本龍馬が新婚旅行で訪れた高千穂峯に登ってカステラを食べてきました

登山 寺社 坂本龍馬 鹿児島県 宮崎県

坂本龍馬おりょうが新婚旅行で訪れ、姉の乙女へ送った絵入りの手紙が有名な高千穂峯。

ヤマキリシマの時期を外せばそんなに混んでないのでは?近くまで行ったときに登ってる人が多かったから初心者でも行けそう?とか考えて、登山初心者がチャレンジしてみました。

振り返りも兼ねて往復の状況と、装備について、感想です。

 

 

 

坂本龍馬の手紙(サービスパークセンターの画像と翻刻

サービスパークセンターに手紙の該当部分を抜き出した画像がありました。

(全体は京都国立博物館のデータベースにあります。)

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是より又山深く入りて、きりしまの温泉に行く、

此所より又山上ニのほりあまのさかほを見んとて、妻と両人つれニてはるはるのぼりしニ、立花氏の西遊記ほとニハなけれとも、どふも道ひどく女の足ニハむつかしかり けれどもとふとふ馬のせまでよぢのぼり、此所にひとやすみして、又はるばるとのぼり ついにいただきにのぼり、かの天のさかほこを見たり。其形ハ

(図)

是ハたしかに天狗の面ナリ 両方共に其顔がつくりつけてある からかね也

やれやれとこしをたたいてはるばるのほりしニ、かよふなるおもいもよらぬ、げにおかしきかおつきにて天狗の面があり、大に二人りが笑たり、

□此サカホコハ少シうこかして見たれバ、よくうごくものなり又

あまりにも両方へはなが高く候まま、両人が両方よりはなおさへてエイヤと引ぬき候時ハわづか四五尺のものニて候間、又々本の通りおさめたり、からかねにてこしらへたものなり

此所に来れハ実ニ高山なれハ、目のとどくたけハ見へ渡り、

おもしろかりけれとも何分四月でハまたさむく、風ハ吹ものから、

そろそろとくたりしなり、なる程きり島つつしが一面にはへて、実

つくり立し如くきれいなり、其山の大形ハ

(図)

○ 此穴ハ火山のあとなり、渡り三丁ばかりアリ、すり鉢の如く下お見るニおそろしきよふなり

イ~ロ 此間ハ山坂焼石ばかり、男子でものぼりかねるほど、きじなることたとへな志、やけ土さらさら、すこしなきそふになる。五丁ものほれバはきものがきれる

ロ~ハ 此間彼ノ馬のせこへなり、なるほど左右目のをよハぬほど下がかすんておる、あまりあぶなく手をひきゆく

ハ~ニ 此間ハ大きニ心やすく、すべりてもおちる所なし

 

 

往路 

目安だと1時間30分になっていますが、だいたい2時間40分かけて登っています。

頻繁に休憩を取ったことと、霧や雨に遭うたびに止まって様子を見たのも原因かと思います。

①千穂河原サービスパークセンター、ビジターセンター

高千穂峯の標高は1,573 mですが、ここの駐車場までに車でだいぶ登ります。

駐車場には噴火したときのためのシェルターがあり、ここは火山なんだなぁと思いました。

サービスパークセンターには立体地図と映像で登山道を紹介しているテレビもあって参考になります。

また、望遠鏡が設置してあり100円で使用できます。

ビジターセンターでは100円でピッケルを借りれますので、持っていない場合は絶対借りた方がいいです。

 

 

霧島神宮古宮址

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文暦元年(1234年)まで霧島神宮のあった場所です。現在も祭祀は行われているとのこと。

古宮址の鳥居前で右折すると研究道があり、そこから登っていきます。

はじめは石畳、徐々に砂礫まじりの道に変わってきます。30分ほどかけて歩きました。

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③火山灰等が堆積した斜面

まず足を踏み出しても砂と石に埋まって進めないゾーン 

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そこを抜けると岩がごろごろしたゾーンに突入。岩をよじ登るような形になるところもあります。

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乙女への手紙には「此間ハ山坂焼石ばかり、男子でものぼりかねるほど、きじなることたとへな志、やけ土さらさら、すこしなきそふになる。五丁ものほれバはきものがきれる」とあります。

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21世紀では装備さえちゃんとしていれば泣きそうになることもありません。

1時間くらいかかって登り切りました。

 

④御鉢

斜面を登りきると硫黄の匂いがしてきます。俄然テンションがあがりました。見回してみましたが、噴煙は上がっていないようです。

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「此穴ハ火山のあとなり、渡り三丁ばかりアリ、すり鉢の如く下お見るニおそろしきよふなり」

大きい岩があったので腰かけて休憩。

「とふとふ馬のせまでよぢのぼり、此所にひとやすみして」はここだろうということで、この場所で食事をとることに。小松帯刀がお弁当にとカステラを持たせたとのことでしたので、カステラを持参しました。

福砂屋のキューブは折り畳み式のフォークがついているのでこういう場面に最適です。 

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そうこうしている内に霧が出てきて、高千穂峯どころかこれから進む馬の背も見えなくなってしまいました。

 

⑤馬の背

「ロ~ハ 此間彼ノ馬のせごへなり なるほど左右 目のよバぬ ほど下がかす んでおる あまりあぶなく手おひき行く」

高所恐怖症にはつらい…。道幅が狭いのに加え岩が転がっているので、すれ違いが恐怖です。

左右がよく見えないまま恐る恐る歩いたので15分ほどかかりました。

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背門丘(鞍部)

馬の背を下っていくと霧島神宮元宮があります。

6世紀に僧・慶胤によって高千穂峰と御鉢(かつては火常峰と呼ばれていたそうです)の間のこの場所に社殿が立てられたそうです。しかし火山の麓なので度々炎上し、天暦年間に現在の古宮址に遷されました。 

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高千穂峰山頂へ続く登山道へ向かいます。斜面が多く滑りやすくなっています。下りの人優先で周囲を見て登るように。

高山植物と岩を間近で見れるので、個人的には楽しかったです。

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「此所ニきり島ツツジヲビタダシクアル」はこのあたりです。龍馬が登ったのは新暦5月13日なので見ごろを迎えていたのでしょう。

 

⑥山頂

霧の中をのんびり進んでいたら、気づいたら頂上についていました。

逆鉾にはハエが群がっています。

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しばらく滞在しましたが、霧が晴れないままで景色は見えず。

「けにおかしきかをつきにて天狗の面があり、大ニ二人りが笑たり」の天狗の面らしきものは写真を拡大するとそれらしきものが確認できました。

近寄って見る事はもちろん、抜くことはできないため、記念撮影はビジターセンターで。紙でつくられているのですが、なかなかの再現度です。

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復路

 

目安では1時間ですが、1時間半くらいかかりました。( 下り道が苦手なのもあると思います。)

靴の中に砂が入りまくったのでスパッツがあればよかったです。

 

⑦背門丘(鞍部)

階段は網で砂を固定しているのですが、滑りやすいです。

脇の砂だけの場所のほうが踵でしっかり踏ん張れるので、個人的にはおりやすかったです。

 

⑧馬の背

途中で強い風と雨に見舞われ、岩陰でウィンドブレーカーを装備しました。

⑨御鉢

雨が止むまでしばし休憩し、斜面を下ることにしました。

⑩火山灰等が堆積した斜面

ほとんど這いつくばっていました。

登りは登山慣れしてそうな人が通った後を着いていけば楽なルートが分かったのですが、身長の問題で下りはそうはいきませんでした。

足の長さが足りなくて安定した着地ができない、滑ったとき踏みとどまれない…。ものすごく時間がかかりました。

⑪研究道

駐車場に繋がっている道のほうが緩やかと聞いていたのでそちらを通ってみることに。

石畳のゆるい坂で、雨が降ったためか湿っていて非常に滑りやすかったです。この道は上りで使うほうが安全そう。なんとか無事に下り終え、駐車場までたどり着きました。

 

装備

 

低山トレッキング用の靴+登山用靴下

→やっぱり足元の装備は重要。だいぶ前にアウトドア専門店でスタッフさんにアドバイスをもらって購入したもの。個人的にはフィット感と軽さ重視。

半袖TシャツON長袖Tシャツ、ショートパンツ+レギンス

→ガチ私服ですが特に問題はなかったように感じます。でも下山で靴に砂と石が入りまくったので、スパッツ装備か長ズボンがよさそう。

ウィンドブレーカー

→家にあったものを適当に持ってきました。雨具代わりです。山頂ってすぐ霧がでたり雨が降ったりするんですね…。

撥水素材の帽子

→雨具代わり。雨粒が帽子に落ちる音でトトロごっこができます。

軍手(滑り止めつき)

→ホームセンターで3組1セットとかで売ってる普通の軍手。

大きめのナップザック

→背負うとお尻が隠れるくらいのサイズ、背中から浮かず軽いものを持ってきました。お尻に当たるので歩くとき気が散って邪魔で、大きければいいわけじゃないんだと実感。

500ミリペットボトル×2(ミネラルウォーターとアクエリアス

→雨や霧の影響か途中からあまり汗をかかなくなったのでこれで足りました。

ピッケル(ビジターセンターで借りたもの)

→これがあるだけでかなり楽になるような気がします。わたしはバランス感覚が悪いので岩をつかむことが多く、1本片手装備でよかったです。

 

もしまた登山するピッケルとスパッツは購入しようかなと思います。

 

感想

 

装備は準備していったのですが初心者には無理かな~と思い、途中まで行って引き返そうとい気持ちで登っていたらなんとか高千穂峯まで到達できました。

「あーつらい休憩しよ…」→5分後「まだ行ける気がするからもう少し登ろう」の繰り返しでした。

無理をせず自分のペースで進むことが怪我をしないことに繋がりますし、やっぱり大事なんだなと感じました。 

どう見ても初心者の女グループだったからか、すれ違う方が「ここを過ぎれば楽だから頑張って」「もう少し行くと景色がいいですよ」と優しく声をかけてくれたので、かなり気が楽になりました。

 

どの地点で会う方も、みなさん「ここを過ぎれば楽だから」って言うのがちょっと面白かったです。