書を持ったまま町に出よう

引きこもりぎみ方向音痴なアラサーOLが旅行したりする。歴史/美術/古典芸能すき。博物館・美術館/史跡巡り/謡蹟探訪メイン。

小鍛冶謡蹟めぐり⑦ 稲荷山の長者社(御剱社)

伏見稲荷大社本殿の背後にそびえる稲荷山は「お山」、その山中の神蹟を巡拝することは「お山巡り」と呼ばれており、盛んにおこなわれていたことが『枕草子』にも残されています。

 

貼ってあった案内図です。

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稲荷山の長者社(御剱社)と小鍛冶伝説 

三条小鍛冶宗近が小狐丸を鍛えたという伝説の残る場所のひとつです。

御剱社の向かって左手に「焼刃の水」と呼ばれる井戸もあります。

 

御剱社 

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焼刃の水

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 稲荷大社の神官・秦氏西大西親盛により享保17年(1732)に編纂された『稲荷谷響記』には「伏見稲荷大社を信仰していた三条小鍛冶宗近が、神託を受けて稲荷山の土をもって焼刃用の土とし、現れた狐の教えに従って刀を打った。この刀はたいへん素晴らしく宗近は名を上げた」との伝承が残されています。

 

長者社(御剱社)について

長者社はもともとは秦氏の祖神を祀った社です。

伏見稲荷神社を創建した秦伊侶具を長者とすることから、ここは稲荷山のなかでも最も古い神蹟とされています。

御祭神は加茂玉依姫。『山城国風土記』の賀茂神社縁起で、賀茂建角身命の娘であり川上から流れてきた丹塗矢によって賀茂別雷命を懐妊したと伝わる女性です。

 

雷石

 

本殿背後にそびえる巨岩。しめ縄が巻かれています。

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大きすぎて撮れないので、御剱社との対比。

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触るとご利益があるとのことですし周囲に囲いがあるわけでもないので、触ってもいいようです。なんともフレンドリーですね。

この雷石については、『稲荷谷響記』のなかに、「その昔この岩に雷が落ちたので、神人がその雷をこの岩に封じ込め、縄で縛った」との伝承があります。

雷をとらえる話というと、日本最古の仏教説話集『日本霊異記』上巻の第一話「雷を捉へし縁」で少子部の栖軽が雷を捕まえる話が有名ですね。こちらは雄略天皇の時代ですが。

「雷石ハ剱石ニアル大巌是レ也」と記されており、雷石イコール剱石ということのようです。

一方で、雷石と剱石は別で、御剱社ができるまでは剱石を見ることができた(つまり社殿内には剱石がある)…という話もあるようです…?

 

ちょっと高いところから撮影。

正面にあるのが御剱社、画面左側に見えるのが雷石です。 

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向いのお茶屋さんではお茶とお菓子のセットがありますので休憩におすすめ。

剱石お煎餅がとてもかわいいです。疲れた体にお茶と甘味がしみます。

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